ウインターブルー

 にゃんにゃんにゃん。こんにちは。1029にゃんです。1029にゃんは、寒いのが大嫌い。厳しい暑さも辛いけど、寒いのはもっと苦手。これから冬にかけて、なんだか憂鬱~。今回はそんなお話です。

 9月になり、日中はまだ暑さが残っていますが、朝晩は大分過ごしやすくなりました。このところ、特に何かあったわけでもないのに、「なんとなく憂鬱」「落ち込むことが多くなった」「体もだるいし疲れやすい」と思うことはありませんか。これは秋から冬に向けて発症が増える「季節性うつ病、ウインターブルー」かもしれません。

ウインターブルー(季節性うつ病)とは?

 うつ病の中に、秋から冬にかけて毎年症状が現れる「季節性うつ病」があります。この病気は、「季節性感情障害」(SAD)とも言われています。季節性うつ病の特徴は周期性にあります。毎年、日照時間が短くなる10月から11月にかけて症状が表れ始め、日差しが長くなる3月頃になると回復するというリサイクルを繰り返します。その症状から「ウィンターブルー」(冬季うつ病)という別名が付けられました。

季節性うつ病の主な症状

  • 気分が落ち込むことが多い
  • 以前ならこなせた仕事をうまく処理できない
  • ぐったりとして疲れやすい、身体を動かすのがおっくうになる
  • 今まで楽しんできたことを楽しめない
  • 考えることが面倒臭くなり、集中する力が明らかに落ちている
  • 普段より睡眠時間が増え、朝起きられなくなる
  • 食欲が減退した、逆に亢進した、炭水化物を中心に食べ過ぎてしまう

なぜ秋から冬にかけて発症が増えるのか?

  • セロトニンの不足
    日照時間が減ると、脳内の「セロトニントランスポーター(SERT)」と呼ばれるタンパク質の量が著しく変動します。SERTは脳内の神経伝達物質である「セロトニン」を回収することで、神経伝達を調整しています。SERTレベルが上昇し、精神を安定させるセロトニンの量が不足することが、うつ病の原因の一つとなっています。
  • 体内時計の乱れ
    季節性うつ病のもう一つの原因に「体内時計」の乱れがあります。例えば時差ぼけや昼夜のシフトワーク、不規則な生活が続くと、体調不良が起こりやすくなります。暗い時間が長い秋や冬になり、日照時間の明暗に合わせられなくなると、生理機能に影響が出てきます。

季節性うつ病を緩和するためには?

  1. 栄養バランスの良い食事をこころがける
    セロトニンが不足すると、脳の働きに不調が出てきます。セロトニン生成に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素を食事で十分に摂ることが大切です。肉、魚、大豆などのタンパク質にはセロトニン生成に必要な必須アミノ酸である「トリプトファン」が含まれています。
  2. ウォーキングなどの軽い運動をする
    気分が落ち込んだり、イライラに悩まされている時に運動をすると、「意欲」「運動」「快楽」をもたらす神経細胞伝達物質の一つ、「ドーパミン」が分泌され、うつ症状の改善を得られます。
  3. 自宅や職場を明るくする
    自然の光に多く当たることも大切ですが、冬はどうしても日が短くなります。可能であれば、自宅や職場の照明を明るい光に変えることも効果的です。治療でも「高照度光療法」が行われることが多くあります。太陽光やそれと同等の光を浴びることで、体内時計を調整して生体リズムを整える治療法で、多くの患者さんに効果があると言われています。

 これから冬にかけて、日照時間がどんどん短くなります。季節性うつは、生活習慣や季節によって改善できます。自分だけが落ち込んでいるとは思わずに、同じように感じている人も多くいます。お医者さんに相談するまでもないけれど…と思ったら、迷わずお話に来てください。一緒に悩みを考えましょう。

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