夏こそ気を付けたい。かくれ脳梗塞

 こんにちは。10209にゃんです。今年は梅雨明けともに、夏が早くやってきそうです。全身毛皮を着ている1029にゃん、お腹を出して寝る日が多くなっています。
 

 以前のブログでも書きましたが、夏で増える病気の一つに「脳梗塞」があります。気温が上がると血管が広がり、さらに汗をかいて脱水状態になると血液が濃縮され、血流が悪くなります。
 「脳梗塞?血圧に問題はないし、私には関係ない」と思わる方もいらっしゃいますが、自分では気付いていない「かくれ脳梗塞」の危険は意外と身近にあるのです。

隠れ脳梗塞とは?

 隠れ脳梗塞とは、正式には「無症候性脳梗塞」と言います。通常、脳梗塞と聞くと、手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、言葉が出にくいなどの症状を想像するかもしれませんが、無症候性脳梗塞は、これらの目立った症状が現れません。「CTなどの検査で小さな脳梗塞が発見されるが、脳血管性の発作や症状が認められない状態」、つまり小さな梗塞(血管の詰まり)はあるが、症状がない状態のことをいいます。脳の非常に細い血管が詰まって起こる、ごく小さな脳梗塞(ラクナ梗塞が多い)であるため、脳の機能に大きな影響が出ず、症状として現れないことが多いのです。そのため、多くの場合、健康診断や脳ドックなどでCTやMRIといった画像検査を受けた際に、偶然発見されます。
 脳卒中の既往も症状もない方でも、1割以上の方に「かくれ脳梗塞」が見られます。そしてこの割合は40第から増え、60代では約20%、70代では約30%の方に「かくれ脳梗塞」が発見されると言われています。

症状がなくても放っておかないで

 症状がないからといって安心できるわけではありません。無症候性脳梗塞は、以下のようなリスクを高めることが知られています。

①脳梗塞のリスクが高まる
 かくれ脳梗塞がある方とない方とを比べると、脳梗塞の発症率が大きく跳ね上がるという調査があります。健康な方とかくれ脳梗塞がある方を比べると脳梗塞になる確率は10倍になるそうです。そして脳梗塞になってしまうと、半身麻痺や言語障害、意識障害や認知機能低下などの後遺症が残る場合が少なくありません。

②認知症のリスクが高まる
 小さな無症候性脳梗塞がいくつも生じると、脳細胞が少しずつダメージを受け、認知機能が低下して「脳血管性認知症」につながる可能性が高まり、アルツハイマー型認知症にもなりやすくなるとも言われています。かくれ脳梗塞がある場合、もの忘れを自覚する人が多いという調査もあります。2003年、オランダのロッテルダム研究では認知症のリスクが約2倍になったという報告がありました。

スミレ薬局からの健康提案

 脳梗塞は繰り返し起こりやすい病気だといわれます。そして発作を繰り返す度に、その症状の度合いがひどくなる傾向になります。はじめは軽い発作で後遺症もなかったという方が、2回目、3回目と発作を起こすと、その繰り返しの中で大きな後遺症を背負うということが少なくありません。
 また、認知症のリスクが高まるといわれている理由は、虚血再灌流(血液の流れが止まって、再び流れ出すときに大量の活性酸素ができること)と深く関係しています。活性酸素は、体の細胞を酸化させて(サビさせて) しまう酸化力の強い酸素です。脳は記憶を司る「海馬」を中心に、この活性酸素に大変弱い性質を持っています。脳の細胞は不飽和脂肪酸でできているため、活性酸素が脳の「脂(あぶら)」を酸化させてしまうのです。
 かくれ脳梗塞を引き起こしている場合、血流が良くなると血栓自体は流れていきますが、いったん止まって再び流れ出した血液の中に大量の活性酸素が発生し、脳の大切な部分を蝕んでいきます。脳梗塞が認知症のリスクを高めると言われているのは、こういった理由からなのです。

大切なのは予防です。生活習慣病対策を!

 かくれ脳梗塞の大きな要因となるのは「高血圧」です。血圧が高い人と低い人を比べると、かくれ脳梗塞となる割合が、正常血圧の方の約30%に対して、高血圧の方は約50%だといわれています。高血圧に次いで、脂質異常症や糖尿病も要因として挙げられます。つまり、血管の老化や動脈硬化が、かくれ脳梗塞に深く関係しているといえます。
 健康で若々しい血管を保ちながら、血流を維持し、血液を健康な状態に保っておくことが、脳梗塞予防には欠かせないことが分かります。そのために必要なのが、「食事」「運動」「休養」といった生活習慣です。病院で生活習慣病の治療を受けられている方は、平行して生活習慣を整えることが大切です。スミレ薬局では、生活習慣改善のアドバイス、またそれを応援するためのご相談を受け付けています。
 まずは夏の血流対策をしっかりと行ってゆきましょう

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