筋肉のはなし

 こんにちは。1029にゃんです。
 梅雨入り前のこの時期は、なにかと体が重だるい!という方も多いのではないでしょうか。1029にゃんは、これから迎える夏に向け、換毛期真っただ中。猫櫛とカーペットコロコロを両手に持って、追いかけられています。
 さて、前回に続き、体の器官のお話。今回は「筋肉」について。

筋肉とは

 筋肉は繊維状の細胞が多数集まって作られています。収縮と弛緩によって体を動かしています。筋肉の種類は3つあります。
①骨格筋
 文字通り、骨についている筋肉のことです。自分の意思で動かせます。骨格筋の筋線維には、瞬発的に大きな力を出せる「速筋線維」とゆっくりした動きを長く続ける「遅筋線維」があります。

②平滑筋
 胃や腸などの消化管、血管など、臓器の壁にある筋肉です。骨格筋よりも疲れにくく、ゆっくりと持続的な動きを行います。自分の意思では動かせない筋肉です。

③心筋
 心筋は心臓にしか存在しません。常にリズミカルに動いています。休むことができない筋肉なので、全身の中で最も丈夫な筋肉です。これも自分の意思では動かせない筋肉です。

筋肉の役割とは

「筋肉」というと、力こぶをイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそれだけではありません。筋肉は、体を動かすだけでなく、内臓を守ったり、体温を維持したり、血液の循環を助けるポンプのような役割も果たしています。私たちが日常生活を送る上で、非常に多くの役割を担っている縁の下の力持ちなのです。

  • 体を動かすエンジン
    歩く、座る、立つといった基本的な動作はもちろん、スポーツや趣味を楽しむためのエネルギーを生み出します。
  • 基礎代謝の維持
    筋肉量が多いほど、安静にしている時でも消費するエネルギー(基礎代謝)が高くなります。これは、太りにくい体質を維持する上で重要です。
  • 骨や関節の保護
    筋肉は、骨や関節を支え、衝撃を吸収するクッションのような役割を果たします。これにより、怪我の予防や、スムーズな動きにつながります。
  • 全身の健康維持近年、筋肉から分泌される様々な生理活性物質(マイオカイン)が、生活習慣病の予防や認知機能の維持にも関わることが研究で明らかになってきています。

運動神経が良いってどんな事?

 運動神経というのは、手足など体の各部分を動かすように脳からきた命令を津輝神経です。神経系の発達が著しい5~8歳頃にいろいろな動きを経験し、基本的な運動を身に付けることが、運動神経の発達に大きく影響します。
 「運動神経が良い」というのは、脳から出た指令がスムーズに、かつ正確に筋肉に伝えられるということです。大脳皮質にある運動やという部分から命令が出て、小脳や脳幹、脊髄を通って目的の場所に伝えられます。運動神経に太さや数に個人差があるというわけではなく、運動神経の差は、光や音などが目や耳に入り、それに反応して脳から指令が出て、体を動かすまでの時間が速いか遅いかによって決まります。
 もちろん、生まれつき運動神経が良い人はどんな運動でもこなすことができますが、普通の人でも同じ運動を繰り返し運動することで、脳からの指令に対して体を動かす反応がスムーズになり、その運動が上達していきます。

「火事場の馬鹿力」って何?

 私たちの骨や筋肉は、100%の力を発揮し続けると大きな負担がかかるため、脳にはあらかじめ安全装置がかけられ、発揮できる力に制限が設けられています。ところが緊急事態に遭遇すると、身体を戦闘体制にするため、アドレナリンが大量に分泌され、脳の安全装置が解除され、普段よりも大きな力を発揮できるようになります。これが「火事場の馬鹿力」です。

年齢とともに変化する筋肉

 年齢を重ねるとともに、どうしても筋肉量は低下していまいます。人はロボットではないため、自然な変化ではありますが、生活習慣や食生活をに気を付けることで予防することもできます。

  • 筋肉量の低下(サルコペニア): 筋力低下を招き、転倒や骨折のリスクを高めます。
  • 骨密度の低下(骨粗鬆症): 骨がもろくなり、わずかな衝撃でも骨折しやすくなります。

 今、健康寿命をいかに伸ばすことが重要視されています。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいい、2022(令和4)年の健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳となっています。そして日本人の平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳であり、健康寿命とはそれぞれ約9年、約12年の差があります。

 健康寿命を延ばすために何をしたら良いのかは、その方の体質や生活習慣によって、それぞれ違ってきます。今の健康を当たり前と思わずに、ご自身の体をぜひ一度見直してみて下さい。何かご不明な点や、お医者さんに聞くまでもないのだけれど…といった事も、いつでもお気軽にご相談下さい。

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