隠れ心不全

にゃんにゃんにゃん。1029にゃんです。
1029にゃんはそろそろ15歳。人間の年齢だと、75歳前後。人間もペットも高齢化と言われています。先日、動物病院へ行ったら、先生の一言目が「大きいねぇ」。太り過ぎを指摘されてしまいました。現在はダイエットしています。
 肥満は成人病の元。気を付けたいものです。そして、今回は、今注目されているシニア世代に増える「隠れ心不全」について、書いてみました。

心不全とは

 「心不全という病名はよく聞くけれど、どんな病気なのだろう」という方も多いのではないかと思います。日本循環器学会と日本心不全学会によれば、『心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気』と定義されています。心不全は個別の病名ではなく、さまざまな原因が引き起こす、心臓機能の弱化のことを言います。

どのような症状が出るの?

 心臓は広がったり縮んだりを繰り返すことで、ポンプとして働いています。広がった時に心臓内に血液を摂りこみ、縮んだ時に血液を押し出して全身に血液を送ります。心臓の動きが悪いと、心臓から十分な血液を送り出せなくなります。その結果、体に必要な酸素が足りなくなって「息切れ」がおきたり、疲れやすくなります。また、水分がうまく巡らず体内に貯留してくると、足の甲やすねのあたりがむくんだり、体重が1週間で2~3キロ増加したりします。息切れや足のむくみは、心不全に多い初期症状ですので、これらの症状が出てきたら、一度心不全を疑ってみて下さい。

シニア世代に多い「拡張不全」は心不全の約70%

 最近の心不全では、広がりが悪くなるタイプ「拡張不全」が増えており、心不全の約70%を占めると言われています。そしてこのタイプの心不全は、高齢者に多くみられます。年を取る事で心臓の筋肉の線維化が進み、心臓の壁が固くなることが原因です。特に心臓に病気がない人でも、高齢になると心不全が起こりやすくなるのはこのためです。

心不全の進行

 心不全は、進行の程度によって、4段階に分けられています。治療は症状の出はじめるステージCから始まりますが、近年では症状のないステージA(無症状性)の段階から対策が必要だと言われています。この無症状性の状態が、いわゆる「隠れ心不全」と言われています。

  • ステージA:心不全のリスクが高い状態
     高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病、冠動脈疾患、心筋梗塞などの心臓疾患、家族歴
  • ステージB:心臓の機能が低下している状態
     左室肥大、心筋梗塞の既往などの構造的異常、心機能低下、弁膜症
  • ステージC:心不全の症状が現れている状態
     息切れ、むくみ、倦怠感、動悸
  • ステージD:重症心不全
     上記の症状が重度化、酸素投与や人工呼吸器が必要、移植などの根本的な治療が必要

ステージC以降は、心不全が月単位で進行していきます。なぜなら、心臓の筋肉はいったん傷つくとその部分は再生しないからです。一度心不全を発症すると何度も「急性憎悪(悪化)」を繰り返し、その間隔が短くなっていく傾向にあります。この段階になると回復は難しく「慢性心不全」となります。

心不全の対策

 心不全の初期に症状がないのは、自律神経(交換神経)が無理をして、心拍力などを調整しているからです。しかしこの状態は心臓に負担をかけている状態なので、やがて疲れ切った心臓は働けなくなり、そこから心不全が進行します。
 血液を全身に送るのは、心臓のポンプだけではありません。しなやかな「血管ポンプ」や足の筋肉による「筋肉ポンプ」、そして心臓に血液を戻す際には「呼吸(横隔膜)」もこの流れをサポートします。
 適度な運動をすることで、筋肉ポンプの働きは上がります。また、食生活に気を付ける事で、血や血管を良い状態に保ちます。さらにこれらは、そのまま生活習慣病対策にもつながります。

 今の健康は過去の自分が作ってきたものです。今の状態をまず知ることが、治療の第一歩。長寿の時代、これからの自分のためにも、気になる症状がありましたら、ぜひご相談下さい。

執筆者:東福 彩(登録販売者)

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